打ちのめされる思い。

ボンジュール。

北ロンドンは今日は雨。

マダム、きのうはめちゃくちゃ落ち込んで、

ブログを書く元気もなかったんだ。

すまんなり。

はじめて、ブログを休んだな。

ちょっと精神的に参ってたから

1日ゆっくり寝て、ようやく少し

落ち着いたんだ。

マダムはこのブログで

自分の気持ちとも向き合ってるからな、

とりあえず書くことにするわ。

 

きのうは長男のスクール再開2日目だ。

おとといの晩に弁当を作って、冷蔵庫に入れて

保管して、朝、しっかり持たせた。

8時5分に家を出ようとするあやつを

まだ早すぎるから、20分になるまで待ちたまえ

と声をかけて、8時20分にあやつは

家を出たんだ。

徒歩で30分とみて、9時からの始業には

間に合うわけだ。

あんまり早く行っても、ゲートが

開いてないからな、8時20分になってから

家を出るようにさせてるんだ。

この日もなんとか、弁当持たせてスクールに

行かせたわいと安心して、マダムは

おととい寝落ちしちゃった分のブログを書いたり

してたんだ。



 

そしたら地下で仕事をしている夫が

蒼い顔をしてダイニングに来たんだ。

9時40分くらいのことだ。

長男が、スクールに来てないって。

スクールから電話があったということだった。

マダム、一瞬何が起こったかわからなかったんだ。

スクールからは間違いなく家を出たのかとか

聞かれてだな、夫が

100%スクールに向かって、出て行った

と話してるんだ。

その後も何度か電話が来て、

長男の通学ルートを聞かれたりしたんだ。

そういえば、おとといの再開初日は長男が

なんだか、帰りに迷っちゃったよ~

なんて言って帰ってきたんだけどな、マダムは

やっぱりおぬしは、おっそろしいほどのアホじゃな

ただ1本道をまーっすぐ戻って来るだけだわい

また、おかしな道を通ろうとしたんだろーが

そのうち、ホントに迷子になるぞ

と応えて、特に気にも留めてなかったんだ。

ただ、おとといはその後も、ちょっと興奮気味に

新しい道を開拓したんだ

とかなんとか、1人でブツブツ言うもんだから

新しい道なんて開拓してるうちに

ホントに帰ってこれなくなるから、

冗談抜きでおかしな真似はするなよ

と言っといたんだ。

そんなことがあってからの、きのうの事件だ。

もしかして、あのアホはマダムのいうことを

聞かずに、勝手に道探検をしたんじゃなかろうか。。。

真っ先にそう感じたんだ。

情けないことに、あやつは信じられないほどの

方向音痴。

近所のバス停に行くのに、家の前の大通りを

右に行くのか、左に行くのかも、

なかなか覚えられない。

日本にいる時も、電車で1駅、

駅から徒歩3分の塾に通うのに

何度も練習をしたのに、

それでも道に迷ったんだ。

だから、本人の手帳に

マダムの電話番号を書いて、

いつも持たせていたんだ。

今のスクールにも2週間しか通っていないけれど、

夫とマダムで地図を書いて

本人はそれを握りしめて通ってたんだ。

地図を見ながら慎重に通っているうちは

良かった。

少し慣れが出てきて油断したころに

こういう問題が起きたんだ。

11歳になって少しは成長したと思っていたけれど

中身はなーんも変わってなかったということだ。

マダムと夫は

オンライン授業があった長女にチビのことを頼んで、

取るものもとりあえず、2人で

車で探しに出たんだ。



 

ロックダウン前はチビの幼稚園の送迎があったからな、

地図を書いてでも、長男を1人でスクールに行かせるしかなかった。

今は、チビのスクールもないから

マダムが送迎しようと思えば出来たんだ。

徒歩で30分はきついかな、どうしようかな

送迎を迷っていたマダムに夫が

9月からはセカンダリースクールに行くんだから

あやつは体力お化けで体力も有り余ってるんだし、

それくらい歩かせればよかろう

とマダムがわざわざ送迎に行かんでいいと言ってくれたんだ。

最近は外も21時まで明るいしな、

確かに9月からセカンダリースクールに上がる子供に

そこまで過保護にすることもなかろうと

マダムも本人だけで通学させることにしたんだ。

おとといの初日なんかは、仏心で

15時にスクールの近くの大通りにピックアップに

行ってやろうか、なんて思っていたけれど

そんなことをしても、結局はあやつに会えずじまいで

マダムがバカを見て、1人でキレまくることが

容易に想像が出来て辞めたんだ。

日本でもマダムは、いつも長男との行き違いに

振り回されていたんだ。

おそらく本人が決まったルートじゃなくて

気まぐれにルートを変えるから

雨が降ってきて、かわいそうに思って迎えに行っても

会えずじまいで本人はすでに帰宅、なんてことが

何度もあったんだ。

あやつの考えてることが、ホントにわからないんだ。

ルートを決めて、必ずここを通るようにと話しても

無意識にルールを破るんだ。

おそらく、無意識なんだろうな。

悪意もないし、故意でもなく、自然と

ふらふらと気が赴くままに歩くんだろう。

それを、こっちが決まったルートで

帰るだろうと傘を持って迎えに行くもんだから

30分も1時間も会えずにパニック、

心配して戻ると、本人がずぶ濡れになって

ぼぅーっとした顔して玄関先で座ってる

みたいなことが何度もあったんだ。



夫と車で捜索中、あの不思議ボーイの

こうしたエピソードが次々に

思い出されて、涙が止まらなかった。

おそらく、今回も悪意もなく、

故意でもなく、おそらく無意識に近い

状態でふらふらと好奇心の赴くままに

道探検をしたんだろう。

そんなことは今となってはどうでもいい。

その後、道に迷ってパニックになって

道路を走って横断して、車に轢かれたりしていないか、

道を聞こうと勇気を振り絞って声をかけた人間が

たまたま悪い人間で、そのまま誘拐されたんじゃないか

思考がどんどん悪い方へ悪い方へと行って

心臓はバクバクで涙が止まらないんだ。

スクールからはさらに電話があり、

警察に電話をするということになった。

あやつは今、どうしているんだろうか。

泣きながら歩いているのか。

どこかに連れていかれてるのか。

とにかく、気が遠くなるような時間に感じたけど

10時20分ごろにスクールから

長男が見つかって、スクールに連れてきたと

電話があったんだ。

見つかったのは、スクールのすぐそばの大通りとのこと。

本人には何があった?と聞くも、

道に迷ったとしか答えないと言われ、

電話口で長男に代わってくれたけどな

マダムがいくら聞いても

道に迷った、なんでだかわからない

これしか、こたえなかったんだ。

スクールには先生にも迷惑かけたしな、

きのうの帰りを含め、残りの10回程度の

送迎はマダムがすることにしたんだ。

本人とは電話で一言二言だけ話して、

マダムと夫はそのまま帰宅したんだ。



 

とにかく、長男が見つかって良かった。

それでも、マダムはやっぱり辛かったんだ。

コミュ障で人と話しが出来ない、という事実を

改めて突きつけられらんだ。

8時20分に家を出て、10時20分に保護されるまでの2時間、

あやつは誰にも聞けずに、1人で黙々と歩き続けたわけだ。

スクールや親が心配するとは思わなかったんだろうか。

とにかく、マダムにはやっぱり、あやつのことを

理解してやることが出来ない。

親なのに、子供のことを理解してやりたいのに

あやつの考えてること、感じていることが

さっぱりわからないんだ。

ホントにどうしていいのか、わからない。

自信喪失、打ちのめされたんだ。



家では長女が、今か今かとマダムの帰りを待ちわびていたんだ。

チビまで心配していて、

長男、見つかった?

なんて聞いてきたんだ。

長男が無事に見つかったと知ると、長女は

良かったぁー!!車に轢かれてたら

どうしようと思ってたんだ!

と、とにかくホッとした様子。

マダムが泣いてたもんだからな、チビは

ママ、なんで泣いてるの?

なんて言ってきて、余計に涙が止まらなくなったんだ。

なんでだろう?見つかってホッとしたのと

アホすぎて情けないのと、もう、何がなんだか

わからなくなっちゃった、

マダムの心の中はぐちゃぐちゃだ。

長女は冷静に

こういう時はあんまり、怒鳴りつけちゃダメだよ

と至極まともなアドバイスをマダムにしてきたんだわ。



 

15時の迎えにはマダムと長女とチビと3人で行ったんだ。

担任の教師が、長男をマダムに引き渡してくれた。

マダムが落ち込んでいたせいか、担任は

かえって明るく接してくれた上、

長男のエッセイが素晴らしかったと

彼のことを褒めてくれたんだ。

マダムはだな、長男に言いたいことは

山のようにあった。

とにかく、怒鳴り散らさないようにだけ

気をつけて少しずつ話しをした。

もともとコミュ障だから、なかなか話しをしない

長男から話しを聞くのは、本当に大変だった。

全てがわかったわけではないけどな、

長男はおそらく道探検に出て、新しい道から

スクールに行こうとしたようだった。

きのうの朝はやけに張り切っていたしな、

8時5分に家を出ようとしたのも、そのせいだったみたいだ。

そして道探検に出て、道に迷った。

空気が読めない、人の気持ちがわからない、

想像力がないから、学校の先生や親が

大騒ぎをして、警察にまで連絡する事態に

発展してたなんて、想像すらしていなかったみたいだ。

誰にも道を聞けず、2時間歩き続けたわけだ。

最終的には道探検でぐるーっと一回りして、

また、うちの近くに出て来たみたいだ。

振り出しに戻ったのに気づいて、再び

スクールに向かって歩いている所を

スクールの手前で保護されたらしいのだけれど、

なんで振り出しに戻った時に、うちに戻って

来なかったのだろうか。

どうして、迷子になった時に

誰にも聞けなかったのだろうか。

もうな、思う所がたくさんありすぎて、

色々な思いが出そうになるのを抑えるのが

大変だったんだ。

あやつは不思議ボーイなんだから、

ふつう、を求めちゃいかん。

マダムの価値基準で考えずに

対応するしかないと思ったんだ。

マダムは長男に

先生方も、パパもママも、みんながおぬしを探したんだぞ

スクールにも遅れただろう?

と言ったんだ。そしたらあやつ、

スクールには遅れたけれど、授業はミスしなかったよ

大丈夫だった

ってこたえたんだ。

マジかよ?おいおい、それはあまりにも

想像力がないぜよ。

おぬしがいなかったから、先生方が総出でおぬしを

探したんだ

授業どころじゃなかったのがわからんのか

マダムがそう言ってはじめて、

あー、そうか。。。

と気が付くという具合だ。

あやつには怒鳴り散らしたところで

何も効果はない。

それよりも、周りが長男のことを

とても心配して探しに出ていたこと、

迷惑をかけていたということを

冷静に伝えていくしかないということを

痛感したんだ。



マダムはこの、一連の事件が

長男のコミュ障に全て

原因があると、落ち込んだんだ。

不思議ボーイのことが何一つ

わかってやれない、

可愛いとすら思えなくなってる自分自身の

親としての資質にも、とにかく落ち込んだ。

あらゆる人を巻き込んで

迷惑をかけてるっつーのに、

ぼぅーっとした顔して

テレビを見てたりすると

いいようのない腹立たしさに

襲われる。

こやつをこれから、どうやって

育てていこうか。

そんなことばかりを

延々と考えて、きのうは

なんだかとっても落ち込んだ。



今日は、マダムの落ち込みようを心配した

チェスの先生のお母様が

お茶に呼んでくれたんだ。

涙、涙、そして笑いの4時間半。

育児の先輩に相談して

マダムもようやく、復活だ。

長男が道に迷ってみんなに

迷惑をかけたのは、

あながち、コミュ障の不思議ボーイ

だけのせいではない。

男の子特有の好奇心や、

思春期前期のタイミングや

本人の性格やら、色んな要素が

重なったことだと思うよ、と

言ってくれたんだ。

その後の対処方法で

誰にも道を聞けずに歩き続けるという

コミュ障特有な面は出ていたけどな、

道探検に出て、道に迷うなんてことは

男の子らしい好奇心で、

むしろ健全に発達している証拠だと

前向きに考えるべきだと

言ってくれたんだ。

あやつの好奇心を削ぐようなことを

言うべきではない。

道探検をするのはいいけれど、

スクールがある日ではなくて

週末に思いっきりしなさい、

スクールに時間通りに着かないと

先生が心配して大騒ぎになること、

そうしたことを話して聞かせて

長男の好奇心を伸ばしてやる方が

いいよ、とアドバイスをもらって

元気をもらったんだ。

マダムがそんなに落ち込まなくても

しょっちゅうとは言わないまでも、

スクールに来ていない子供を

先生方が探しに出るなんてことは

そこまで珍しいことじゃないはずだ、

それ自体は泣くほど落ち込むような

ことじゃないんだよ、と言ってもらったんだ。

確かにマダムは、長男のことを

一般的な11歳の子供と比べては

一喜一憂していたように思う。

不思議ボーイを他の子供と比べて

落ち込むんじゃなくて、

不思議ならではの感性や感覚を

どうにか伸ばしてやりたい、

今回の件で改めて思ったんだ。

そうはいっても

やっぱり何を感じて、

何を考えているのかさっぱり

わからない、感情をほとんど

出さない上に、話さない宇宙人を

育てるのはやっぱり大変なんだけどな。

縁あって、マダムのもとに来たこやつと

マダムはどれだけ寄り添ってやれるんだろうか。

道のりは険しいけどな、

これからも不思議ボーイに振り回されて

マダムは生きていくんだろうな。。。はぁ~。

でも、また頑張ることに、いたしやしたよ。

 

おしまい。

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