チェスと、チェスの先生との出会い。

ボンジュール。

マダムの家族全員おうち生活も80日目。

北ロンドンは今日は晴れ。

きのうよりはいい天気だな。

 

最近の子供たちは

日中はオンライン授業、

午後はドクターXを見たり

チェスをしたり。

最近は長女がチェスの面白さに

目覚めたらしく、長男を誘って

チェスをすることが多いな。

この国に来てよかったことは

2人がチェスをやりはじめて

その面白さにはまったことだな。



 

イギリスの素晴らしい所は、

子どもの教育において

いわゆるお勉強だけを重視していない点だな。

美術や歴史にも力を入れていて、

結構、頻繁に校外学習に出かけるんだ。

日中に美術館や博物館に行くと

必ず小学生の団体を見かけるほどだ。

文化や芸術に理解がある国だからな、

主要な博物館や美術館は無料だ。

無料ゆえに校外学習も

私立、公立の学校関係なく盛んなわけだ。

ほんとにこういう所が素晴らしいよな。

日本だと、どこもかしこも有料だから

どこかに校外学習に行きましょうとなると

その費用はどうしましょ?

になるもんなぁ。

イギリスだと

ゴッホのひまわりの実物を見に行くぜよ、

って先生がナショナル・ギャラリーに

連れてってやって、みんなで鑑賞する。

物価は高いけど、子供に優しいということを

以前にも書いたけどな、どこから💰を取って

どこからは💰を取るべきじゃない、ということが

すごく明確な国だと思うね。

素晴らしい芸術作品や貴重な歴史物を

惜しみなく、一般に無料で公開してくれる、

その姿勢が素晴らしいわさ。

懐の深さを感じるんだ。



日本からイギリスに来るには

航空券、ホテルや食費などの滞在費が

かかるだろうけどな、ロンドンの観光に関しては

名だたる博物館・美術館は無料の所が

多いからな、ホントに見どころ満載で

💰はかからないはずだ。

お土産を買いたくなっちゃうだろうけどな(笑)

イギリスに、一度も旅行に来たことがなかったマダムが

言うのも笑っちゃうけどな、

みんなにも一度は、訪れて欲しいと思っておりまする。

無料のすごさを味わって欲しいんだわ。

しょぼい博物館や美術館が無料なんじゃないからな。

あの!大英博物館が無料なんだ。

スケールが違うわさ。

マダムなんか日本にいた感覚で、はじめは無料に気が引けて、

5ポンドとか寄付してたくらいだ。

10ポンドは寄付出来ない所が情けないけどな、

ホントにこれが無料?って信じられなくて

やっぱりおいくらか払わないことには

申し訳ないわって感じたくらい、

中も素晴らしいものだった。

もちろん、お金に余裕がある人は

寄付した方がいいだろうな。

こうした貴重な場所を維持するにも、

💰がかかってるだろうからな。

マダムはほんとにおビンボー生活だから

寄付は勘弁してもらってる。

でもグッズや館内の飲食なんかで

💰を落としていくことにしてるんだ。

そうは言っても、マダムもまだ

数えるほどしか行ってないんだ。

ぐうたらだから、放っておくと

おうちで引きこもりだ(笑)

ロックダウンが明けたら

もっと美術館や博物館に

頻繁に行きたいと思っとりますよ。

無料でいつでも行ける、っつー環境に

甘んじて、ほとんど行ってなかったことが

ロックダウンになって、悔やまれたんだ。

💰がかかったらかかったで行かないし、

無料だといつでも行けると安心しちゃって

行かないしな、ホントに困ったもんだ。

せっかくこんなに美術館・博物館に

恵まれてるんだもんな、もっと

行っとかなきゃもったいないな。



イギリスの教育はお勉強だけを重視してない所が

素晴らしいってことだったな。

授業料が割引になるスカラシップ(奨学金)は

勉強だけじゃなくてスポーツ、アートでも

認められてるんだ。

チェスのスカラシップがあるのかは

ちょっとわかんないけどな、

決して軽くはみなされていないんだ。

あちこちでチェスのトーナメントが

開かれているし、チェスの家庭教師だって

存在する。

おそらく、それなりのスキルと実績があれば、

チェスだけで食べていくことだって

出来るんだろうな。

日本の将棋とその辺は同じだろうな。



 

我が家のチェスとの出会いは

以前に通っていたお高い私立学校だ。

この学校がかなり、チェスの強豪校だったみたいだ。

チェスのクラブがあって、

それこそ一流の先生が教えに来てたんだ。

お高い私立はな、

クラブ活動もそれなりにお高いんだけどな

教えに来る先生はやっぱり一流の

先生なんだ。

学校として、質の悪い先生を

用意するわけにはいかないんだろうな。

マダムははじめ、上の2人に

チェスをやらせなかった。

日本から来た子供たちは

みんなチェスをやってたけどな。

イギリス=チェスのイメージがあるみたいで

日本人ママたちはみんな、チェスが好き。

マダムはまぁ、ひねくれてるところもあるから

こっちに来たからって

すぐにチェスってどうなのよ?

と、ちょっと否定的だったんだ。

でも、そんなにいいもんなのかえ?

っつー興味もあった。

まぁ、しばらく様子をみてたんだ。

長男は日本では将棋が好きだったからな、

もしかしたら、好きかもしれないと思った。

でも、放課後のクラブ活動は

我が家はスクールから車で30分かかるしな、

チビもいるから、終わるまで

ぼぉーっと待ってるわけにもいかないし、

現実問題として無理だろうと思ってたんだ。

マダムは、やらせてやれなかったら

かえってかわいそうだと思ってだな、

チェスクラブに入っている日本の子供を

数人、知ってはいたんだけど

あえて長男には話してなかったんだ。

ところがだ、やっぱり長男が

チェスクラブに入りたい、チェスをやってみたい

って言ってきたんだ。

同じ時期に日本から来た、仲良しのクラスメイトが

チェスクラブに入っていたんだ。

やっぱり言ってきましたかぃ。。。

長男は自分の世界の中で生きてるし、

あんまり周囲に興味・関心を示さないんだけどな

チェスクラブの存在とそれを楽しみにしている

子どもの存在には気づいてしまったんだ。

あやつが自分から何かをやりたい、って言うなんて

すごく珍しいことなんだ。

チェスやってみたいのかぁ、うーん困ったな、

とりあえず今は、スクールのクラブには

チビもいるから、行かせてあげられないな。

近所で教えてくれる先生がいないか、

ママが探してあげるから、ちょっと待ちたまえ

マダムはそう、長男に言ったんだ。

あやつは不思議ボーイだからな、

マダムに1度だけチェスをやってみたいって

言っただけで、どうしてもクラブに

行かなきゃやだー、みたいなことは

特に言わなかった。

でも、スマホを触ってて

何やってるんだろう?とみると、

1人でチェスゲームをしてることが

頻繁にあったんだ。

マダムはそのうちに教室探してやる、なんて

その場しのぎで言ってごまかして

そのうち、あやつも忘れるだろうくらいに

思ってたんだ。

長男のチェスやってみたい、は

淡々と言ってくるもんだから、

真面目に取り合ってやってなかったんだけどな、

独学でルールをマスターして、スマホで対戦して

夢中になってるところを見ると、

本気で興味があるのかもしれん

と、ちょっと反省したんだ。

コミュ障だから、熱意もこちらには

よく伝わらないんだ。

だから、気を付けないとあやつの

要求を見過ごしてしまいがちになるんだな。

長男が毎日、スマホで独学でチェスをしているのをみて、

これはホントにやりたいんだな、ちょっと真面目に教室を

探してやらなきゃな、と思ったマダム、

とりあえずミックスビーをみたりしたんだ。

うーん、先生いないなぁ。。。

そんな時に偶然、ロンドンでお子さんが

チェスを教えているという、日本の人のブログを発見したんだ。

ブログで見も知りもしない人に

コメント書くのって、なかなかに勇気がいるよな(笑)

マダムのブログも、コメントはそんなに頻繁に

あるわけじゃないけどな、やっぱりコメントを

書いてくれるのって、相当に勇気と労力を

要するということは理解しているつもりだす。

ありがとうね。

マダムは生まれてはじめて、お子さんがチェスを教えているという

人のブログに問い合わせのメッセージを入れたんだ。



 

先方から電話をもらって

体験レッスンをしてもらう時なんか、

マダムの方が、めっちゃくちゃ緊張したんだ。

何で緊張したかって?

長男を受け入れてもらえるかが、心配で

仕方なかったからだ。

先生の方にはあらかじめ、

長男がコミュ障でなかなか話しをしようとしない、

返事もするように言ってるけれど、なかなかできない

理解力に問題はないけれど、抽象的な言い方だと

理解できないので、具体的に伝えるようにして欲しい、

なんてことも言っておいたんだ。

長男1人だったら、断られる心配もあったからな、

あんまり気乗りしていない長女もセットで

送り込むことにしたんだす(笑)

長女は

えー、私チェスなんて興味ないよ、

長男と一緒にやんなきゃだめぇ?

なわけだ。

マダムのこたえは

そうだ、あやつ(長男)が自分からやりたいなんて

滅多に言わないからな、

ホントに興味があるかもしれんのじゃ

でも、あやつ1人で体験レッスンに行ったら、

おそらく一言も話さないで、先生が途方に暮れて、

今後のレッスンは引き受けてもらえないことが

容易に想像できるからな、おぬしは

弟のためにひと肌ぬぐのじゃ、協力してくれぃ

と言ったわけだ。

そんなわけで、こっちに来てすぐのスクール同様、

上2人のセット売りをしたんだ。

体験レッスンではな、先生も長男が話さなくて

案の定、ちょっと困ってたんだ(笑)

ただ、チェス歴は?なんて聞かれて

やったことありませんなんて答えたら

でも結構、上手ですよ、と先生。

ホントですかえ?スクールのチェスのクラブに

入れてやれなかったもんだから、なんやら1人で

スマホで独学でチェスやってましただす、とマダム。

このレベルまで独学でやったんなら

たいしたもんだ、この子、ちゃんとやれば

強くなりますよ、

なんて言われて、マダムとーっても嬉しかったんだ。

あやつはずぅーっと不思議ボーイでな、

特に何か得意なものがあるわけでもない。

なんでもいいから、人よりも得意になれるものを

見つけてやりたいと思っていたのに、

なかなか見つからなかったからな、

もしかしたらチェスが長男の取り柄になるかも

しれないと思ったわけだ。

これがチェスとの出会いだ。




先生は長男とのコミュニケーションに

相当、苦労されたようだけれど

今では、この国では家族以外の人間で

一番、長男の事を理解してくれてる人なんだ。

言葉ではなかなか話してくれないけれど

チェスを通じてコミュニケーションが取れてます、

って先生が言ってくれた時には、ホントに嬉しかったんだ。

あやつは先生の指導にもきちんとした

返事が出来ない。

先生は理解できてるのかどうか、

はじめは心配したらしいんだ。

でも指導の後の対戦をみると

長男が先生の教えを理解していることが

よくわかるということだった。

そして、あやつはぼぉーっとした

表情からは想像できないくらい、

内に秘めた闘争心みたいなものがあるんだと(笑)

打ち手がかなり、攻めの姿勢なんだそうだ。

マダムはチェスのルールさえ知らないからな、

ルール覚えて一緒にやろーと言われても

イヤだよ、の一言だ。

子どもの興味に寄り添ってやるべきだ、

とは思っちゃいるけどな、

興味がないから仕方がないわな。

いつか、興味が出てきたら

ルールも覚えようとするかもしれんけどな、

40も過ぎて新しいことを覚えるなんて

脳みそも老化してて難しいわけだ。

長男はこの先生との運命的な出会いで

チェスの魅力にドはまりだ。

やっぱり興味の度合いが違ったのか、

長女よりもずっと強かったんだ。

長女は自分が弟よりも劣っているなんて

プライドが許さなかったんだろうな、

はじめはイヤイヤ、弟のチェスの

レッスンに一緒に行く感じだったんだ。

それがいつからだろう?

なんだか、2人一緒に楽しみに通うようになって

家でも、ちょくちょくやるようになったんだ。

長女もめきめきと力をつけてきて

今ではなかなかに、いい勝負をするらしい。

そして長女が弟のことを

あれはなかなかに頭いいぜよ

って言ってきた時にはビックリしたんだ。

長女は、いっつも長男のことを

あほだって言ってたのに、チェスに関しては

強い、なかなか頭がいい

なんて言い出したんだからな。

何??あやつがかえ?

もしかしたら、ちょっと特技になれるかいな?

これから先はわからんけどな、

長男がこの国でチェスに出会えたことは

ホントに良かったと思ってるんだ。



チェスの良い先生に出会えたことで

長男はもっとチェスがやりたい、

って言い出したんだ。

やっぱり、クラブに参加したいって。

マダムは悩んだけどな、

チェスだって人との対戦だ。

コミュ障少年にとっては

とっても大事なことだ。

あやつの交友関係が同じ趣味の子供から

広がることだってあるかもしれん。

チェスの先生も

上達には、やっぱりたくさんチェスをする機会を

与えてやるのがベストだ、

って言われてな、近所のチェスクラブみたいなものも

探したんだけど、日本の塾の日と重なって参加できそうもない。

マダム、悩んだあげく、

スクールのクラブに通わせることにしたんだ。

チビのスクールは長男よりも40分早く終わるからな、

いつも長男のスクールが終わるのを

チビと車の中で待ってたんだ。

チェスのある日は、チビの幼稚園が終わり次第、

一旦、家に帰る。

家に帰って、40分前後お菓子を食べて休憩してから、

また、長男のお迎えに車に乗る。

ぶっちゃけ大変だったけどな、

1日3往復をチェスの日だけは、やることにしたんだ。

しばらくしてMが、チェスのお迎えにチビが一緒に行きたがらない

(おうちにいたい~、テレビ見たいから待ってるぅ)

ということを知ってな、最後の方は

マダムが長男の迎えに行っている間、

うちに来て、チビとお留守番してくれるようになったんだ。

長男は結局は私立のお高い学校を辞めてしまったけどな、

ほんの少しだけだったけど、チェスクラブに

参加することは出来たわけだ。

クラブにはみんなより遅れて入ったけどな、

結構、強かったみたいなんだ。

スクールのチェスクラブの先生にも

この子はどこでチェスをやってたんだい?

って聞かれてな、

ちょっと前から近所の先生に見てもらってます

って答えたら、

この子は強くなるよ

って言われたんだ。

同じ時期に来た日本のクラスメイトには

初回から勝ったみたいで、

思ってたより弱かった、楽勝だった。。。

あやつ、珍しくボソッと言ってきたんだ。

多分、クラブに入れなくて辛かった分、

初めてのクラブで勝てて、嬉しかったんだろうな。

かわいそうに、家庭の経済事情で

お高いスクールは辞めちまって

クラブも行けなくなったけど、

長男は今も長女と一緒に

週に1回のチェスのレッスンを楽しみに

淡々と続けとります。

9月からセカンダリースクールがはじまったら、

チェスクラブがあるといいのになぁ、

少しでも人よりも自信が持てるものが

出来たらいいのになぁと

マダムは願ってやまないんだ。

今日はまぁ、こんな感じ。

なーんの取り柄もなくて、

人とコミュニケーションをとることも苦手な

我が家の長男君が、この国に来て、

チェスと、チェスの素晴らしい先生に

出会えたこと。

マダムはな、見えない糸で

手繰り寄せられたかのように、

ご縁を感じているんだす。

とにかく、このご縁には感謝して

不思議ボーイとぬけ作ガールは

今日も、チェスに励んでおりまする。

 

おしまい。

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